江戸東京たてもの園(★★☆,小金井)

博物館

 なんとなく「江戸繋がり」で、GWに訪れた「江戸東京博物館」の分館である「江戸東京たてもの園」へ。緑豊かなスペースに移築・保存された30棟ほどの江戸~昭和初期の建物は、時代背景にあわせて室内も再現されているので「当時の生活」を伺い知ることができる非常に興味深い場所でした。

 両国の「江戸東京博物館」の分館という位置づけで小金井公園の中に作られた「江戸東京たてもの園」は、高橋是清邸の様な歴史的価値がある建物よりも、旅館や飲み屋,風呂屋などの商家や田園調布の洋風住宅など、それぞれの時代での生活習慣や文化的背景を伺わせる、民俗学的な価値が高い建物が多く移築されています。
 またそれらは内装や室内の小物類も再現されている(他の場所にあったものと組み合わせたり、時代考証を踏まえて作ったり)ため、なんとなく「映画のセット?」と思わせる面も無くはありませんが、よりわかり易く、また親しみやすいものになっています。

 いくつかあった純和風建築の建屋を訪れてみると、改めて「日本家屋はコンパクト」(だった)なぁ、ということを再認識します。三井財閥の本家でも私室は6~8畳ほどの和室だったり、同じく移設されている洋館と比べるとそれぞれの部屋の小ささが際立って感じられました。
 一方で、結構古そうな和建築でも水周りはしっかり作られていたり、また昭和の建物になると冷蔵庫やオーブンが入り始めているなど、結構プチ発見があり、楽しく見て回ることができました。

 また江戸時代の建物は「囲炉裏の火入れ」とともにお茶のサービスをしていたり、職人の商家では桐箪笥職人が実演しているなど、単なる静的展示に留めない工夫もいろいろと行われていました。

 小金井公園の一部でもある林の中を気持ち良く散歩していると、林の中に2~3mの楕円状の石組みがいくつか。???と思って近づいてみると、小さな古墳。あぁ、小金井公園にはそんなものもある場所だったんだな、と思いつつ案内を良く読むと、なんと青梅にあったものを「移築」したとのこと。こんなものまで「移築」したのか…(江戸時代より前なのに…)とちょっと呆れてしまいましたが、どうやらこの「たてもの園」は元々古代住居や江戸時代の農家を集めた「武蔵野郷土館」を拡充するカタチで作られたそうなので、きっとこれら古墳は当時集められたものなのだろう、と納得。

 江戸時代の茅葺農家から明治~大正時代の洋館、さらに昭和初期の”モダン建築”などバリエーションに富み、日本の暮らしや生活風景の移り変わりを身近に感じらる場所として誰でも気軽に楽しめる場所と思います。また海外からの旅行客にもお勧めです。
 ただ欠点は、建屋の中に入るためには一々靴を脱ぐ必要があること(洋館も)。室内までいろいろ見て回りたい、という人は、予め脱ぎ履きが容易な様に靴や服装を考慮して行った方が安心でしょう。

 ちなみに、これまた江戸東京博物館同様に公式ホームページの内容が非常に充実しています。園内をストリートビューの様に見て回ることができるので、迷っている人は一度覗いてみると雰囲気が掴めると思います。

hisashi

hisashi

長年の間にあちこちの引き出しに少しずつ溜まったガラクタを ただただ、適当にひっくり返して並べてみました。

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