しろばんば


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updated : 2010-05-06
from : 2004-09-01

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Books

 間違いなく私は活字中毒。中学おわり頃からSFにハマってハヤカワ文庫と創元推理文庫を買いあさり、会社にはいってからはビジネス書も結構面白くて読みあさり、ついでにコミック文庫も買いあさり...
 やっぱり自分は活字無しではいられないなぁ、とつくづく想う。

「しろばんば」~「夏草冬濤」~「北の海」(3部作)

井上靖,新潮文庫

北の海
 中学の国語の授業の中で、一人の先生が大量に古本を抱えてきて全員に配り、皆で読んだのが井上靖の「夏草冬濤」でした。そして読み始めた瞬間に、旧制中学生の日常の暮らしの出来事が平易な文体で綴られるこの作品に、なぜかすっかり引き込まれてしまいました。

 「しろばんば」から「夏草冬濤」を経て「北の海」へと続く3部作は、作者井上靖の自伝的小説とも言うべきものだそうで、義理の祖母に預けられて湯ヶ島で過ごした小学生時代(「しろばんば」)から沼津で過ごす中学生時代(「夏草冬濤」)、さらに金沢の高校へ入るための浪人生活(「北の海」)まで、作者が過ごした幼少~青年時代をほぼそのままトレースしたものとなっています。そして多くのことに触れながら成長していく過程や、やがて作者の生業となる文学へのかすかな目覚めの兆しなどが飾らない文体で綴られていき、全然違う時代に生きているのに、なにか一緒に追体験している様な気分にさせられてしまう作品でした。

 最初に触れたのがちょうど主人公と同じ「中学生時代」だったから、かもしれませんが、非常に心に残った作品です。