「パーンの竜騎士」シリーズ(正伝10作+外伝3作)
アン・マキャフリー,ハヤカワ文庫

「気の強い女性モノ」で確固たる地位を築いた(!)アン・マキャフリーが描く他星の世界、パーン。科学技術の大半が失われた古典的生活を送る星で活躍する人々を描いた一大叙事詩。
騎士達が跨るものは、遙か昔に遺伝子操作から生まれた「火を吹く竜」。定期的に宇宙から飛来する「糸胞」と呼ばれる災厄を空で焼き払うのが使命の騎士達と、騎士達を養うために税を拠出しなければいけない一般の人々,「太守」と称する世襲制の統治者,そして楽曲や冶金,医療などの専門知識を蓄え、伝えていく「工舎」の人々。ちょっと牧歌的で、中世を思わせる惑星パーン。
騎士と太守の間の葛藤や、太守同士の争い、さらには「糸胞」との戦いなどを軸に物語はすすみ、やがてちょっとづつ失われた技術を再発見し、そしてついに「糸胞」撲滅にまで物語は広がっていく。
騎士,太守,工舎はいずれも男性社会だけど、気の強い、あるいは1点秀でた魅力的な女性が要所々々で登場,活躍し、結局は彼女たちを中心に物語が大きくまわっていくあたりはいかにもマキャフリーの世界。
「地球ではない世界」での物語なので「SF」という分野に含まれてはいるけれど、SF的ガジェットなどはほどんど出てこず、ひたすら人と人との関わり合いを重ねていくことで世界全体を活き活きと描き出しており、どちらかというこれは「一大物語」というべき世界でしょう。





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