スズキ歴史館(★★★,浜松)前編;クルマができるまで

博物館

 軽の雄スズキが城下町(!)浜松市に開いている「スズキ歴史館」。ちょっと遠いけど面白そうなのでwebから予約して見学。その内容のあまりの充実ぶりにビックリしました。

 生憎3連休初日しか空いていなかったため、渋滞を考慮してちょっと早めに出発(6時頃なのに新東名のSA/PAの大半が既に「混雑」になってました…)。
 目的地「スズキ歴史館」は、本社工場と東海道線に挟まれる一角にあって、見た感じは普通の事務所。人目を引くような外観ではないし、大きな看板やサインが出ているわけでもなく(もちろんスズキのマークは入っているけど、周囲にはスズキマークの建物だらけなので目立たない)、「ここに技術館があるぞ!」という様なアピール感は皆無(まぁ飛び込み客は扱わないので、必要ないのでしょう)。

 2Fはクルマの開発から生産までの過程を紹介するスペースになっています。
 前半部分ではクルマの開発として「企画会議」~「デザイン」~「設計」~「実験」の各工程が実物をたくさん用意して紹介されています。例えばデザインでは机上のスケッチやクレイモデルの作成風景などが立体で再現されていたり、実験では計測器をつけて路上を走らせている様子や衝突実験後のつぶれた車体を展示するなど、極力パネル以外のものを活用して説明しようとしている様子が見て取れます。

 そうして開発された車は工場での生産へ移行するわけですが、この工程の紹介がまた素晴らしい充実度合。

 クルマの生産ではまず「車体」の製造を行います。具体的にはパネルをプレス機で整形して、溶接して、塗装しますが、スズキ歴史館ではこの工程を「3D動画」で紹介しています。大型プレス機が轟音とともに鉄の板を打ち抜く様子などが、3D映像と音と振動(座っている椅子が加振器内臓!)とセットで再生されるため、「まるで目の前で見ている」様。しかも時にはカメラがプレス機の中まで入り込んで撮影しているので、本当の工場見学よりもよほどリアルで、またわかり易いものになっています。

 そしてそれに続く「組み立て」工程では、今度はまるで本物のラインから一部を切り取ってきた様に実物が並べられ、例えばライン脇を流れてきたタイヤを取り付ける、という様な部品と人の動きもある程度再現しつつ、最後の検査工程までの様子が作りこまれています。
 さすがにこちらは工場見学程のリアルさはありませんが、それでも各部で説明のパネルやアナウンス,ビデオなどが用意されているため「わかり易さ」では遜色ないものになっています。

 またこの「生産」の途中では部品製造部分として鋳造や金属加工などを紹介するパートもありますが、その中の一つであるバンパなどの樹脂成型(射出成型)の説明では、ボタンを押すと型の中へプラスチックを押し出して成型するアニメーションが表示された後、「できあがり」と称してスズキのミニカーが入ったカプセルが出てきます。もちろんこれは来場者へのお土産なのですが、ただ普通に渡すのではなく「生産工程の一つとして」渡すあたりからも、とにかく興味を持ってもらおう、理解してもらおう、という工夫の徹底繰りが伺えます。

 こんな内容盛りだくさんの「クルマができるまで」に続いて、3Fでは「スズキの歴史」を見学します(後半へ)。

hisashi

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長年の間にあちこちの引き出しに少しずつ溜まったガラクタを ただただ、適当にひっくり返して並べてみました。

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