台北孔子廟(★☆☆,台北)

博物館

 「故宮博物院」に行って「中国は歴史や文化への関心が無いのか?!」と感じた反動というわけではありませんが、儒教の祖を祀る「孔子廟」へ。緑がかったモノトーン色のイメージが強かった湯島天神とは異なり如何にも中国らしいカラフルな佇まいながら、とても落ち着く空間でした。

 MRT園山駅から真っ直ぐ西へ。妙に個人営業サイズの自動車・バイクの修理工場(修理店?)が立ち並ぶエリアを抜けてすぐ右側にある赤レンガに囲われた一角が「台北孔子廟」。壁に沿って暫く進んだ先、入口へ向かう角には石の「3猿」がお出迎え。「3猿」の起源は論語だったからね、さすが、と思いつつ写真を撮ったのですが、後で実はここにあるのは「4猿」だったことを知りました。論語では4つ目に「おこなうことなかれ(動くなかれ)」があるのですが、その4頭目の猿の像だけ(なぜか)足元にあったので気づかなかった、という次第。
 ちなみに、そもそも本当に「3猿」の起源は論語の「4猿」なのか、は諸説異論もある様です。

 モノトーンの落ち着いた雰囲気の湯島聖堂とは異なり、ここの孔子廟は見るからに「中国のお寺」っぽいカラフルな作り。赤レンガの壁に載る屋根周りはオレンジ色の瓦をベースに青・緑・赤で龍などの模様が色鮮やかに描かれ、さらに稜線の端はピンピン尖って飛び跳ねています。
 しかし一方で、漂う空気は静謐そのもの。訪れている人も少なめですが、静かに座って廟を眺めている人、静かに回廊を見て回っている人、お経を開いて黙読している人…そして、正面に向かって左右に植えられたガジュマルをよく見ると、音も無く、でも忙しげに走り回っているリス。
 時々すぐ頭の上を轟音を立てて飛んでいく飛行機が現実に引き戻してくれますが(飛行場が近いから仕方がない)、それ以外は本当に静かな、平和な世界…

 ここは儒教や孔子の考え方を伝えることに非常に熱心の様で、本堂(?)を囲う回廊の中は複数の言語で説明や展示物・ビデオが並び、さらに簡単なビデオゲーム(障害物を避けながら馬車を走らせる、というもので、孔子との関係は不詳…)があったり、スタンプラリーがあったり。また廟内の要所々々にマークが貼ってあり、専用iPhoneアプリでカメラから読ませると音声ガイドが流れたり。ITも駆使しながらの、なかなかの力の入れ様でした。

 台北へ来てから3日目。朝からアチラへ、コチラへ、と珍しくいろいろな場所を訪れて多少気ぜわしくなっていた気もしていたので、ホッとできる時間を過ごすことができました。

hisashi

hisashi

長年の間にあちこちの引き出しに少しずつ溜まったガラクタを ただただ、適当にひっくり返して並べてみました。

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