九份(台湾,★★★)

お出かけ

 台北旅行初日の訪問先に選んだ「九份」。1日の中で様々な表情を見せるそうですが、今回は街そのものが最も賑わう「夜」に訪問。その人気のほどがわかる混雑具合でしたが、そこに広がる光景は間違いなく「それだけの価値がある」幻想的なものでした。

 九份は少し台北からは離れており、また夜の移動になるため送迎付きのオプショナルツアーに申し込み。マイクロバスの車内ではガイドさんが何度か「観光地はとてもスリが多い。皆台湾人では無く、外国人。大陸から来た」と注意喚起。同じことを飛行場出迎えの添乗員さんも言っており、犯人が外国人なのかどうかは別として、スリには要警戒の様です。

 九份は元々金鉱の街。上まで真っ直ぐ登って行く細い石段と、それに絡みつく様に蛇行しながら緩やかに登って行く坂道が走り、その両脇には飲食店などの店舗た立ち並び、さらにそれらを中心に山の斜面を覆う様に街(村?)が広がっています。
 最盛期となる日本統治時代を経て閉山とともに衰退していったため、残された町並みはまるで1900年代前半で時が止まってしまった様な雰囲気(まぁ、その後の観光地化により「意識して作られた」面も多々ありそうですが)。特に双方の道沿いには赤提灯が延々と連ねられ、アジアっぽいノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。
 さらに台湾の人気映画のロケ地になったり、(公式には否定されているそうですが)ジブリ作品の元ネタと言われる店がある、などで一気に名が広まり、台湾人・日本人だけでなく世界中から観光客が訪れる地になっています。

 街に近づくと見られたはずの「山の斜面に貼りつく様に広がる街の夜景」は生憎の霧雨に遮られて見ることはできませんでしたが、やがて道は多数の大型観光バスで渋滞し、バスを降りた後も大混雑。改めてスリに気をつけつつ、街歩き開始。
 前半は添乗員さん先導でくねくね道の方を見晴台まで。赤提灯とともに延々と伸びる細道は観光客で一杯。さらに左右の店からいろいろな食べ物の匂いと煙が漂い出し、まさに映画に出てくるような古いアジアの猥雑感が街に充満。外国の様な、でもなんか子供の頃見た様な、ちょっと不思議な光景が続きます。

 本来であれば見晴台からは基隆港の夜景が見通せるハズですが、残念ながらこちらも霧雨で視界ゼロ。そこからは1時間弱自由行動となったので、近くにあった「阿理廚坊私房菜」で夕ご飯。
 観光地らしくメニューは写真付だったので、安心して注文。あまり時間が無いので控えめに注文しましたが、どれも美味しくいただきました(イカの炒め物はハッカクっぽい香辛料が効いててちょっとクセあり)。ただ近くのテーブルに座っていた中国系家族が、料理が来る前に一所懸命テーブルなどをティッシュで拭いているのがとても気になりました。あとでwebで「夜市などでは食器類の衛生面に不安が残るところもあるのでウェットティッシュで拭いた方がいいかも」という様な記事が見つかりちょっと不安になりましたが、まぁ特に体調を崩すことも無かったので結果オーライでしょう。

 食事の後は、直線石段路へ。くねくね道以上に細い石段ですが、真っ直ぐ下まで赤提灯と店が見通せるため「くねくね道」以上に印象的な光景が広がります。さらに「某ジブリ映画の元ネタとされるお茶屋」もこの石段の途中にあるため、小雨にも関わらず道は大混雑状態。しかも皆こぞって「お茶屋をバックに」写真を撮りたくて立ち止まってしまうので、かなり危険な状態(「押されてケガ」だけでなく「スリ」という可能性でも。ただし19時過ぎにもう一度通った時はそこそこ空いていたので、観光客が集中する特定の時間帯があるのかもしれません)。

 そんな状態ではありましたが、ここで見た九份の街並みは間違いなく「それだけの価値がある」とても美しい光景でした。見る人によって印象は大きく変わるのだろうと思いますが、自分自身が最も強く感じたのは「懐かしさ」(海外だけど)。
 昼はまた違った様子を見せるでしょうし、夕方が一番キレイ、という人もいる様です。ぜひともまた訪れたい、と強く思う場所となりました。

hisashi

hisashi

長年の間にあちこちの引き出しに少しずつ溜まったガラクタを ただただ、適当にひっくり返して並べてみました。

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