深川下町資料館(★★☆,深川)

博物館

 小伝馬町へ来る用事があり、周辺を物色したところ、比較的近くに江戸時代の街の様子を示す「深川下町資料館」があることを知り来館。さすがに「江戸東京博物館」より規模は小さいものの、江戸時代の深川まわりの街並みを再現した館内は江戸時代の暮らしの様子がギュッと詰まった素晴らしい博物館でした。

 清澄公園から続く細い道に面して建つ「江戸東京博物館」は、外観はまぁごく普通の白い四角いビル。入口も、まぁ普通で「公民館?」と思って通り過ぎてしまいそうになりますが、中は地下1Fから地上2Fまで吹き抜けで、その広いスペースの中に「江戸時代の深川の街」がそのまま再現されています。

 2F相当の入口からまずは街並み全体を見下ろすと、蔵や長屋の向こうに火の見櫓(さすがにちょっと寸詰まりっぽく見えるけど)や川まで見通せて、それだけでワクワクしてきます。
 そこから下へ降りると、まずは八百屋,米屋などが並ぶ商店街を抜け、その先には船が浮かぶ川(掘割)があり、船宿が有り。裏手へまわると井戸やトイレ,ゴミ捨て場などがある路地に続いて長屋街…
 暫く見ていると、日が陰り、急に夕立がきて雷が鳴り響き、やがて綺麗な夕焼けとともに日が暮れて、満月がかかって一日が終わり、そしてまた鶏の声とともに新しい一日が始まる…そんな江戸の一日が再現されています。

 資料館のコトバを借りるとここは「情景再現・生活再現展示」とのこと。それぞれの建物は外観はもちろん室内の道具類まで再現され、しかも基本的にはどれも「触ってOK」。そのため一日の時間の経過とともに、実際に自分の手で触って、感じることで江戸の生活を実感することができます。
 また館内には多くの説明員(学芸員?ボランティア?)の方々がいらっしゃいましたが、皆当時の服装を模した格好で館内の雰囲気にうまく溶け込んでおり、押しつけがましさを感じさせずにいろいろと説明してくれて、とても好感が持てました。

 他にもここ資料館では、例えば大道芸や小唄などの実演を「江戸の街の中」でやったり、寄席か芝居小屋を思わせるような内装の併設ホールで落語会をやったりと、展示以外にもいろいろな演し物などを通じ、「江戸の暮らし」を伝えようとしています。

 こんな感じで、全体の規模こそ「江戸東京博物館」に劣るものの、江戸の暮らしに限ってはこちらの方が充実しており(アチラは昭和までカバーしているので)、その時代に興味がある方にはとてもお勧めの博物館と思います(それにしても僅か地下鉄2駅の距離で、こんな似通った施設を作らなくてもいいだろうにねぇ…)。

hisashi

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長年の間にあちこちの引き出しに少しずつ溜まったガラクタを ただただ、適当にひっくり返して並べてみました。

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